Subconscious

潜在意識

「小さなことでも常に何かを感じなさい。」この言葉は父からの教えであり、私の感性を確立する言葉であった。

そして、私は幼いときから物事に対して何かを感じ取り何かを得る日々を送ってきた。

 

私には、記憶をかなり鮮明に覚えていることや、瞬時に何かしら思いつく癖がある。人生という期限の中で、どれだけの潜在意識や記憶の引き出しが存在しているのか。また、人間の記憶はどれほど行方不明になっているのだろうか。このような、人間の様々な意識に対する問が私の中で生まれた。

 

例えば、行ったことのない場所なのに、どこか行ったことのあるような感覚や、自分の知っている場所ではないはずなのに、空間が似ていることからその場所を観てどこか腑に落ち、心が落ち着く感覚。またはその場所を目にし、恐怖心や違和感を抱き心がソワソワする感覚があるのではないだろうか。その無意識的な意識について着目した。

 

この作品では、私が過去に撮影した写真と、私の記憶や潜在意識を元に探し出し、インターネットに散りばめられた写真を組み合わせることで、一枚の像を構成した。それとは反対に、ネットに掲載されている写真をふと目にすることで、自身が過去に撮った写真の記憶が呼び起され、作り上げた作品もある。

 

 今世界を知るのに、スマートフォンで気軽に調べられる世の中だ。そのため、多くの人がインターネット上で沢山の景色を目にしていることだろうと私は考える。そして、目にしてきた景色と似ている場所を見つけたとき、どのような感覚に陥るのだろうか。

 

 ここでは、二つの場所が融合することの面白さ、安心感と違和感を作品として表現した。