between fantasy and reality

 

                    これまでの常識が覆り

 

                    当たり前だったことが当たり前でなくなった時

 

                    よく知っていたものは見知らぬものに

 

                    fantasyとrealityの狭間で。

 

 

扉を開けると、そこには見たことのない世界が広がっていた。                                       

あまりに完全であまりに不完全なその世界は、私を高揚させると同時にひどく不安にさせる。

「現実とファンタジーの狭間。」

本来交わるはずのない世界観を組み合わせ、ファンタジーと現実が絡み合いながら織りなし生まれる"狭間"の表現を試みたのがこの作品である。

私が生きているのはそのような曖昧な世界なのだという漠然とした感覚は、この一年でより鮮明になった。

空想の世界での出来事のようなことが時々起きる。

非日常的で非現実的。

私が耳にし目にしたその体験は、日常と融合し、私が受け止めるとそれは現実となる。

たとえば、自分の身に辛く苦しい出来事が降りかかり、景色が昨日とはまるで違って見えることがあるだろう。

反対に、全てのことがあまりにも完璧で満ち足りた気分になった次の瞬間これは本当に現実なのかと立ち止まってしまうことがあるだろう。

「まさか」という出来事は、ファンタジーの話でありながら現実の話でもある。

新たな変化が起こるたびに、現実とファンタジーは入れ替わり、私たちは常に確かなものと不確かなものの間に置かれることとなる。

そして不安や畏れ、期待感や妙な高揚感から逃れられない。

その中において不動なるもの。確固たる自己を支え得るものは何なのか。

この作品は、「現実とファンタジーの狭間」を探り、見つけたその問いに対する私のひとつの答えである。

第一章のカラー作品、第二章のモノクロ作品。

2つの表現方法で構成することにおいても、絡み合い生まれる"狭間"の表現を試みた。