スーパーの片隅に、見切りのシールを貼られた食材たちがひっそりと息をしている。その表情は皆どこか悲観的に見える。
中には卑屈になってるものもいて「あぁ、僕はもういいっすよ。新しいやつ買っちゃってくださ〜い」なんて自嘲する声が聞こえてくることもある。
買い手がつかないままペットショップで大きくなってしまった猫のような、立ち読みだけされて角の折れた雑誌のような、不憫なそれらを私は家まで連れて帰ることにした。
調理して手を加えてやると、いつもの料理となんら変わらない出来栄えである。
食材たちもなんだか嬉しそうなご様子。
まだ食べられるものを捨ててしまうなんてもったいない。
新しい姿に生まれ変わった食材たちは「自分、まだまだやれます!!」と誇らしげに主張している。
みんなが積極的に見切り品を取り入れれば、食品ロスは軽減できる。
今日のご飯のメニューを悩んでいるそこのあなた。
ちょっと小腹がすいてきたあなたも。
スーパーに行ったら見切り品コーナーを覗いてみて。
あなたが救世主になってくれたら、取り残された食材たちは両手を上げて喜びますよ。