間宮悠斗
栃木県佐野市に明治40年から今日に至るまで地元の人々から長く愛される加藤米菓本店という煎餅屋が存在する。
この煎餅屋では地元である佐野のお米だけを使用し、煎餅のためだけに作られた特別なお米を用いて製造されている。
美味しい煎餅を作るための特別なお米。
そのお米本来の美味しさを引き出すために初代から伝わる、技と知識と経験で四代目の「今」まで繋いできた。
そんな煎餅屋で使用されるお米から煎餅が出来上がるまでの過程と伝統を繋ぐ家族を撮影した。
煎餅作りは朝早くから始まり、夕方遅くまで作業が続く。
工場に足を一歩踏み入れると醤油の香りが漂い
お米を蒸した水蒸気によって、工場の大部分が白く覆われる
煎餅を味付けするために機械が回転し、煎餅同士がカラカラと当たる音が響く
煎餅屋の日常とも言えるこの光景は歴史や代々と受け継がれる技を見させてくれる。
製造方法や道具はその時代に合わせて少しずつ変化しているが、職人が全て手作業で製造する方法は100年経っても変わっていない。
自らの手でその日の天気やお米の状態から判断し、お客様に笑顔を届けるために心を込めて製造される。
美味しい煎餅を作るために関わった全ての職人の手によって100年以上の思いを紡いで出来上がった
この煎餅はずっとずっと多くの人から愛され続けている。
今年はお米が不足し、お米の価格が大幅に上昇した。
多くの人が備蓄米やお米を食べ回数を減らすなど満足のいく食事が出来なかった。
そんな人々が苦労する中で彼らの作る米や煎餅は多くの人に笑顔を届けた。
「米から煎餅へ、そして人の手に」
心を込めて作り出された食は多くの人に伝わり、美味しいを届ける。
その道なりが紡ぐ食として伝わっていく。