現代社会では、死は遠ざけられ語られない。ニュースの数字の裏には、誰にも認知されない「見えない死」が存在している。私は樹海に残された遺品を、黒い布で背景を整え、自然光の下で静かに撮影した。余計な光を排し“最後の気配”に触れようとしたこれらの像は、私にとって名も知らぬ誰かの確かな生の証である。この作品を通し、社会からこぼれ落ちた死と、生と死のあわいに潜む静かな現実を見つめ直したい。