姉は特発性過眠症を患い、慢性的な眠気によって長く眠る時間が増えていった。
しかし不思議なことに、姉から夢の話を聞くことはほとんどなかった。
私にとって夢は、現実では叶わないことが実現し、過去や未来へさえ行ける“もう一つの日常(じんせい)”。
だからこそ、夢を見ない姉の静かな眠りはどこか寂しく感じられた。姉の好きなものを集めながら、
彼女がいつか見るかもしれない「姉の夢の世界」を想像し続けた。