本作は、関東圏に点在する廃墟を対象に、人工物が時間の経過とともに自然へと再び融和していく過程を記録したものである。錆や苔、植物が瓦礫へと侵食し、湿気や風雨によって崩れていくことで、人工物は徐々に周囲の環境に取り込まれていく。
こうした現象は、単なる「失われていく」というよりも、人が残したものが自然と同じ循環に入り、姿を変えながら存続し続けることに近い。本作では、その変化を終わりとしてではなく、静かに進む過程として観察し、捉えることを記録した。