川が消した村、川が守る町

井上 来夢

私の暮らす地域を流れる荒川は日常の風景の一部だが、かつて曽祖母が住んだ集落は水害により全世帯が立ち退き、今は自然だけが残されていることを知った。荒川は身近でありながら脅威でもある。そして、土手や貯水池が生活を支えている。私は集落跡や川、貯水地を撮影し、写真をコラージュして地図のように再構成した。脅威と安心という相反する要素が、この地域の風景と生活基盤を形づけていることを可視化したいと考えた。