振り返るとこれまで、長いようで短かった。
色々な経験をしてきた。時には1人で。時にはいつものあいつと。そして、みんなと。
大人になるにつれて、何者かにならなければならないという強迫観念が頭の中を飛び回る。
私も自由に空を駆けることが出来たらどんなに良かっただろう?
たとえ無理だと分かっていながらも、人は偶像を求めてしまう。
そんな彼らに自分を重ね合わせ、考え事をして、シャッターを切る。
木の実を運んでくる、幸福の知らせのように
「私もいつか誰かに幸せの道を示すことができたら」と思いながら。
そう願いながらシャッターを切ると、
自分自身や他の誰かの姿がそこに見え隠れしているような気がした。
彼らを見ていると、欺瞞に満ちた自分を捨てて今だけは生きている自分を愛してみようと思えた。
写真の中の彼らは今日も私という存在を自由にさせてくれる気がする。
この作品を思い返すいつの日か、世界が平和でありますように。
Ars longa, vita brevis. 芸術は長く、人生は短し。