「赤冨士を担ぐ」
「吉田の火祭り」とは、山梨県富士吉田市に在る北口本宮冨士浅間神社、諏訪神社にて毎年8月26・27日に開催される壮大な祭りだ。
浅間神社は富士信仰に基づいて富士山を信仰対象とし、全国に1300社ほどある。
北口本宮冨士浅間神社は富士山本宮浅間大社に並ぶ高い社格を有しており、この祭りも富士信仰に根ざしている。
この祭りは2日間に渡り神輿を担ぎ、26日の夜には町中の大松明に火が灯される。
そしてこの祭りには「世話人」と呼ばれる欠かせない存在がいる。
世話人は上吉田の住人で厄年(42歳)までの既婚男性12名が選ばれ、半年以上前から祭りの準備に携わる。
松明制作や設置、神輿の先導や休憩所の準備、全ての工程に世話人がいる。
400年以上続くこの祭りの舞台裏には、世話人たちの汗と努力は欠かせない。
富士山への畏敬と地域の絆が込められた吉田の火祭り。
その火は、世話人たちの献身によって未来へと受け継がれていく。