本論は、新宿イメージを形作ってきた六〇年代に頻繁に発表された「新宿論」と、その写真による総括であるような東松照明『おお!新宿』に着目し、現代にまで至る新宿イメージの底流に触れようとした。また、新宿で撮られた写真の身体性や、新宿という都市の演劇的な様態を描きだそうと試みた。最後には私たちがどのように新宿というイメージを獲得したのか、そしてそのイメージをどのように発展させるべきかについて書いた。
(第1章のみ掲載)。