11年前の君へ

2011年3月11日、私の故郷、宮城県を大地震が襲った。

地震規模はマグニチュード 9.0。発生時点では、日 本周辺における観測史上最大の地震となった。沿岸部は10メートルを越える津波に興われ、東北地方を申心に、12都道府県で1万8425 人もの尊い命が奪われた。

それが、今から 11年前に起きた東日本大震災である。

11年前、私は12歳だった。仙台市内の自宅で彼災して、数日避難生活を送ったのち、仕事の都合で上京し、今に至る。私は12歳で仕事を始めた。あの時は、生きることしか頭になかった。壊滅状態の故郷に家族を残し、私はアイドルになった。

この震災が、私の運命を大きく変えた。この東日本大震災は、たくさんの人の人生を左右したに違いない。厳しい現実に直面し、やるべき事、やりたい事を発見した人、命や家族の大切さに気付き、生き方を変えようと思った人、はたまた、夢を諦めた人。

私はこの11年間、アイドルから女優に転身してからもずっと、夜災地に足を運び続け、東北が復興へと向かう過程を肉眼で見てきた。その活動の中で出逢った人たちは皆、東北人らしい優しさと辛抱強さで満ちていた。

今回は、私と同世代の、当時幼かった少女たちの"今"を写すと共に、11年前の自分への想いを聞いてみた。

 

彼女たちの家が"被災地"と呼ばれるようになってから、彼女たちは一体何を背負い、何と向き合って生きて きたのか。未来を見据えて懸命に生きる9人の女性たちを、激写した。

 

シャメイン・リアナさん(18)  大学生

 

Q1,2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,学校で帰りの会。当時6歳。

 

Q2,その日あなたは、何を感じましたか?

A,不安と恐怖

 

Q3,当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,バレリーナから海外で活躍するような人

 

Q4,今のあなたは何をしていますか?

A,大学生をしてます。

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,どんな状況でも、今しか出来ないことがある。自分を信じて、今を楽しんでね。

 

宮嶋くるみ(19)  アルバイト

 

Q1, 2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,小学1年生、当時7歳でした。

2個上のお兄ちゃんはまだ授業があって、親も共働きだから、学校が終わった放課後は児童館でみんなと遊んでました。

 

Q2, その日あなたは、何を感じましたか?

A,恐怖と不安を感じていたと思います。

お兄ちゃんも親もいないし、このまま会えないんじゃないかなという不安。

大きな揺れの後、救急車や消防車、パトカーからなるサイレンの音がそこかしこから聞こえてきてとても怖かったのをおぼてえます。

 

Q3, 当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,当時の夢は、医者とか福祉関係でした。

今の夢は女優です。当時の夢からだいぶ変わりました(笑)

 

Q4, 今あなたは何をしていますか?

A,今は女優になるために勉強をしています!

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,11年前の自分へ

11年前の地震発生時、周りが泣いてる中で、しっかりしなきゃって周りにいた子の手を引っ張って一緒に机の下に隠れたの本当にすごい偉いぞ!よく頑張った!

まだ20年ぽっちも生きてない自分が言うのもなんだけど(笑)、これからなかなかに濃ゆい人生を歩んでいくことになるから頑張ろ!私も女優になるためにこれからも頑張るね。11年後の自分より。

 

吉沢日南子さん(20)  大学生

 

 

Q1,2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,私は小学3年生9歳でした。当時帰りの掃除の時間で保健室の前をバケツを持って歩いていました。その時地震がきて、保健室のベッドの下に隠れていました。

 

Q2,その日あなたは、何を感じましたか?

A,正直、何も考えていませんでした。人生で覚えている限り、初めての地震だったかもしれないというくらい、経験したことがない年齢だったため、発生した時は地震が起こっている事実しか捉えていなかったと思います。

その後、母と兄、姉と共に体育館に行き、ラジオを聴きながら一夜を過ごしました。そこで初めて沿岸部の情報を聞き、女川町に住む祖父母のことを思い出しました。ただ頭の片隅にあっただけで、何も考えることさえしていなかったと思います。

 

Q3, 当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,当時、私は夢があるような明るい小学生ではなかったです。目の前の日常生活に精一杯で、授業の縄跳びが嫌だなぐらいしか考えていなかったです。小学校の人間関係に悩んでいて、学校から帰ってお昼寝してご飯を食べてまた寝るというような生活しか送っていなかったと思います。

今は大学生活で、アイドル事務所のスタッフをやったり、自身も「杜の都美少女図鑑」に所属したことで映像編集やWebデザインのスキルをつけて、何かしらの形でエンタメ業界の裏方で働きたいと思っています。

 

 

 

Q4,今あなたは何をしていますか?

A,私は今、就職活動に励んでいます。

大学生活ではコロナ禍でサークル活動が制限される生活を送っていましたが、自分の意思で芸能事務所に所属して、ライブ配信などの活動をしたことでこれまでのコミュニティでは出会いなかった同年代の友達と出会うことができました。

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,小学生の私にはどんどん外の世界に出てほしいです。きっと11年前の私は狭い世界の人間関係に悩み、兄弟の優秀さに劣等感を感じていると思います。でも、世の中もっと広くて、出会う人の数を増やせば、尊敬できるような自慢の友達にも出会えます。それに友達は100人も作る必要はないです。そのために自分を取り繕うようなことはしなくていいです。また、高い成績を取って、優秀な大学に行くことだけが正解ではありません。もちろん、そのような道も努力を重ねる良い経験にはなります。しかし、今の私の周囲の人を見ると、学校の先生や両親の言うようなレールから外れていたとしても、夢を持って自分の力で頑張っている子達が沢山います。

11年後の私は、今の今まで、親に言われた通り、行きたい大学も諦めて、自分の意思がなくここまで来てしまいました。そのため、決断力がなく、自分がどんな人間か、何に向いてるのか、何がしたいのかについてとても悩みます。食わず嫌い、やらず嫌いは良くないけれど、半年以上ずっと悩んでいるような所からは逃げていいし、必ず私に合う場所、ものがあります。自信を持って、沢山のことにチャレンジしてほしいです。

 

遠藤もも(24) アルバイト

 

 

Q1, 2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,石巻の実家で友人と遊んでいた。当時13歳。

 

Q2, その日あなたは、何を感じましたか?

A,恐怖

 

Q3, 当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,これといった夢はありませんでしたがCAには興味がありました。

今は英語や韓国語を流暢に話せるようになり、海外の方とも関われる仕事がしたいと思っております。

 

Q4, 今あなたは何をしていますか?

A,今年の春に仕事を辞め、アルバイトをしています。

 

Q5, 11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,今は生まれ育った街が変わり果て、通常の生活ができなくなり、また、多くの犠牲者の方を思い辛い日々かと思いますが、世界や日本各地の方に助けられ復興していきます。日々感謝を忘れず、毎日を大切に生きてください。

 

鎌田怜奈さん(21)  専門学校講師

 

 

Q1,2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,当時私は10歳(小学4年生)で理科の授業が終わり、後片付けをしているときに震災にあいました。

 

Q2,その日あなたは、何を感じましたか?

A,最初は何が起こっているか分からずでしたが、学校の外に避難した時に、割れた地面や普段降りることのない学校内のシャッターを見て恐怖心でいっぱいになったのを今でも覚えています。

その後ニュースやラジオで津波や土砂崩れなどの情報を知って、命の尊さと儚さ、それまで何とも思っていなかった“自然“というものに対して向き合って備えていく大切さを感じました。

 

Q3,当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,当時の私の夢は看護師でした。母が看護師というのもあったのですが、その夢とは別で『ヒーローになりたい』という夢も諦めきれていませんでした。

私は幼い頃から特撮作品が大好きで、「いつかは自分もああなりたい!」と憧れていました。

震災があってからいろんな方が震災地に支援活動やメッセージを届けてくださり、その当時放送していた特撮作品に出演していた方々もエールをくださいました。

その時に表現者(役者)さんを初めとするエンターテイメントを届けて下さる方々の暖かさに触れ、今では自分も色んな人にエールや笑顔を届けられるような表現者になる事が夢であり目標です。

 

Q4,今あなたは何をしていますか?

A,私は今、今年卒業した専門学校で先生をしながら素敵なご縁に恵まれMOCエンターテイメント・杜の都美少女図鑑に所属し夢に向かって活動をしています。

去年とはまた別の形で“学校との両立”はとても大変ですが毎日活動を通して色んな刺激を受け充実した日々を過ごしています。

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,自分の中で大好き憧れが多すぎて色んな場面で悩む事が多いと思うけど、最終的に自分がワクワクする方を信じて進んだ方が勝つから大好き憧れも欲張って生きてってください!

 

鈴木純麗さん(24)  会社員

 

 

Q1,2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,舞台出演の為に上京しており、丁度お稽古中でした。

 

Q2,その日あなたは、何を感じましたか?

A,大人スタッフの方が、私の地元が被害にあっていると伝えてくださり、宮城が震源の近くだと知りました。ガラケーのテレビに映る津波の様子をひたすら見ていましたが、はじめは実感がなかなか湧かなかったのが正直な感想です。東京でもかなり揺れたので、現実にその何倍もの被害が出ているとは信じられない気持ちでした。

 

Q3,当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,当時は舞台に出ていて漠然と、俳優をやりたいかもと思っていました。ただアメリカでチアリーダーをやりたい気持ちもあった気がします。(曖昧ですか)

その後しばらくは、NFLチアリーダーという夢を持っていましたが、今はスポーツエンタメ、マーケットに関わる仕事に就きたいなと漠然と考えています。

 

Q4,今あなたは何をしていますか?

A,ITをメインとした教育会社で営業、広報をしています。人の成長や頑張りを応援するという意味ではチアに通ずるものがある気がします。

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,自分の置かれている環境に感謝すること。そして、明日何か起きるかわからない中で、常に現状打破を目指してほしい!

 

平山りのさん(25)  女優

 

Q1,2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,母と2人で買い物をしに出掛けていて、わたしは1人で車の中で待っている時でした。

 

Q2,その日あなたは、何を感じましたか?

A,あ、今日死ぬかもしれないと思った。

 

Q3,当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,変わりました。

 

Q4,今あなたは何をしていますか?

A,女優業をしながら東京で生活しています。

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,自分を愛してあげてください。

自信を持ってください。色んな障害がまだまだこれからも立ちはだかるけど、大丈夫。

りのは素敵な人間です。

25歳のりのは14歳のりのが大好きです。

 

山田日向子さん(25)  OL

 

 

Q1,2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A, 中学校の卒業式が終わり、友達と地元のショッピングモールにいました。

 

Q2,その日あなたは、何を感じましたか?

A,揺れが長く、もう死ぬかも、と初めて思いました。夜まで祖父母と連絡が取れない状況が続き、ご飯が喉を通らず、ドラマの様な出来事が本当にあるんだなと絶望感をおぼえました。(祖父母は無事でした) 

 

Q3,当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,形は違えど、根本的に思い描いている物は変わっていないと思います。

 

Q4,今あなたは何をしていますか?

A,オフィスビルの受付のお仕事をしています。

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,明けない夜はないし、その辛い日々は一生は続かない。

毎日感謝して前を向いて進んで行けば、明るい未来が待ってるよ!

11年後の私も、幸せです。

 

佐々木李子さん(25)  歌手・声優

 

 

Q1,2011年3月11日、あなたは何をしていましたか?

A,中学一年生で、放課後の部活の準備をしていました。

 

Q2,その日あなたは、何を感じましたか?

A,ニュースを見ても現実味を感じられずにいました。画面に映っている事に言葉を失い、とにかく東北に住む友達が心配でした。

 

Q3,当時の夢と、今の夢は変わりましたか?

A,心に届く歌を届ける歌手、アーティストになること、変わっていないです!

 

Q4,今あなたは何をしていますか?

A,歌手と声優をしています。

 

Q5,11年前の自分にメッセージをお願いします。

A,今を大切に、友達や家族、周りの人への感謝の気持ちを忘れずに過ごしてね。たくさん悩むこともあるけど大丈夫だよ。諦めずに頑張れ!