親愛なる東雲へ

戸田 怜覧

東雲キャナルコートCODAN、私が小学校1年生の時から住んでいる場所だ。

生まれた時から集合住宅で生活をしていた私にとって東雲は新鮮な空間だった。それまで暮らしていた場所はゆとりのある敷地に横に長い建物が建っているといった感じであったが、海の見える埋立地に縦に長い建物がいくつも高密度に建っているこの場所は私が東京都心に住んでいるという高揚感を与えてくれてワクワクした。更にこの場所は6つの街区ごとに建物の設計が違っていて、それぞれに独自のデザインがある。他の街区に住んでいる友達に会いに行く度にどこか遠くへ旅している気がして楽しかった。

 

歳を重ねた私は図工や美術を経て芸術が好きになった。アートの視点から見てもこの場所は面白かった。それぞれの建物が個性的でありながらも街並みに統一感があるお陰で各街区の中を眺めてみるのも楽しいし、周囲の高い場所から見下ろして観察をしたりするのも気持ちがよかった。私が芸術学部に入るきっかけになったのもこの場所のお陰かもしれない。

 

そんな東雲キャナルコートCODANという場所をこれまで学んだ写真の道具と表現の知識を使い、今まで造形的に、色彩的に面白いと感じていた部分を切り取ってみようと思い立った。

 

交わり合う線、自然光や人工光によって照らしあう建物達…この魅力を私の写真で表現できるか、挑戦した。