日本の水は安全であるのだろうか。
世界でも水道水をそのまま飲める国は数えるほどしかない。
しかし、そんな日本でも2021年度のSDGs評価で水とトイレは要改善との評価を受けている。
日本は気候上、降水量は多いものの、山がちな地勢により雨水はすぐに海へ流れてしまうため水資源が安定的とは言えない。
首都圏の水源として現代では非常に重要な役目を持つ荒川。
しかし昔はその名の通り、氾濫や洪水を繰り返してきた。
そんな荒川を上流でコントロールするダムが埼玉県秩父地方に複数ある。
「秩父4大ダム」
滝沢ダム・合角ダム・浦山ダム・二瀬ダム四つのダムを指して、通称、秩父4大ダム。
安定した水源を確保し、水力発電も行う役目を持った大規模ダムたちだ。
その迫力の姿からは、人間が自然に立ち向かい、激しく戦い、
時に手を取り合った様子が伝わってくる。
滝沢ダム
平成23年完成
最大3400kwの水力発電
総貯水量 6300万㎥
ダム内部は一般開放され、自由に見学することができる。ダムを越える道路はその高低差のため大規模なループ橋となっており、雷電廿六木橋(らいでんとどろきはし)という名前がある。
合角ダム
平成13年完成
総貯水量 1025万㎥
読み方は「かっかく」ダム。「ごうかく」とも読めるので、合格祈願にとダムカードを入手しに
訪れる受験生も。
二瀬ダム
昭和36年完成
総貯水量 2690万㎥
最大5200kwの水力発電
このダムによってできた人造湖は、秩父宮妃殿下により「秩父湖」と命名され、
奥秩父の観光名所となっている。
浦山ダム
総貯水量 5800万㎥
最大5000kwの水力発電
ダム湖は「秩父さくら湖」と命名されている。ダム壁面に沿って階段が設置されており、500段の階段を一般人も上り下りすることができる。
「人間の体の70%は水でできている。」
よく言われる言葉だが、人が生きていく上で安全な水は必要不可欠だ。
基本的な生活だけでなく、農業・工業など、さまざまな産業で清潔で安定的に供給される水は必要とされる。
関東の水源の守り手である秩父地方には、水が豊かで美しい自然がある。
その美しさと我々の日常の暮らしを支える存在に、感謝を忘れないようにしたい。