たとえば、おとこたちが将来を想像するのに必要な靴が一足の革靴だけならば、わたしたちには何足もの靴が必要だ。

 

 

 

 

 5レース目になると、最下位争いをしている私たちを見かねて、Kがコツを教えてくれる。

マリオカートの勝率はキャラクターの特性とコースの相性にも依るらしい。

なるほど、確かにカーブの多いコースを軽量の可愛い系キャラで疾走すると、操作は難しい。

わたしはハンドルと身体が一体している為に、走行にはある程度の空間を要する。

彼女の部屋の半分を占める黒い鉄の塊を鬱陶しくも思いながら、車を走らせる。

おそらく、東京の家賃相場よりはやや低めであろうこの部屋でも、これだけの機材を置いていれば¥¥¥。

女子大生の部屋としてはやや異質な¥¥

 

終えると、私たちは次のコースを選びながら、もう尽きた話題を再び掘り返して、まだ味のするところを探す。

この時間になると、大抵始まるのは恋愛の話であるが、各自、代わり映えのない ¥ なので、辿り着くのは、セックスでのお気に入りの対位だとか、子供に何の習い事をさせるか、貯金を倍額にする魔法みたいな方法があるらしいから、誰がその勉強を引き受けるか、というような ¥ ばかりである。

しかし、午前2時を過ぎると、それは間も無く迎えることになる、途方もない未来へと帰着する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母性という神話について

見てくれてありがとう~☺︎