夢で覆われたゴミの山

 我々の住む日本は、いわゆる消費社会である。企業は顧客が求める需要以上のものを生産し、人々はそれを消費し続ける。だがそうして得てきた栄華の裏で、大量のゴミが出ている事実を忘れてはいけない。

 この問題は誰もが当事者であるにもかかわらず、それに目を向ける人はごく少数だ。それどころか我々はゴミを海に沈め、その上にレジャー島を建設して不都合な現実を夢で覆い隠してしまった。しかし埋立地の最終処分場も、もうすぐその限界を迎えてしまう。その後の対策は、まだ見つかっていない。

 まずは一人一人がゴミ問題に着目することからはじめてみよう。

コンビニの廃棄問題

 これは私が働いているコンビニで出た、廃棄の一部である。このコンビニでは日にもよるが、1日で1~2万円ほどの食料品が捨てられている。もったいないことだと思いつつも、結局は捨てるしかできないのが現実だ。

 普段コンビニを利用する方には、棚の前の方にある賞味期限の近い商品を取る「前どり」にご協力いただきたい。

 コンビニではお客様の欲しい商品が売れきれになってしまうことを防ぐために、あらかじめ余分に商品を入荷しておく。そのため廃棄が発生しやすい状況が作られてしまう。

 ローソンではそれぞれの店舗の販売実績データを基に、発注量を調整してくれるAIが導入されている。その他のコンビニでも、食品ロスを少なくしようとさまざまな取り組みが進んでいる。

 

引用:jiji.com/jc/v4?id=202107agrio050002

 農林水産省の資料を基に作成された食品ロス料の推移グラフ。コンビニやスーパーなどの食品小売業だけで、2018年度には66万トンもの食料廃棄が起きていることがわかる。

 

引用:jiji.com/jc/v4?id=202107agrio050002

街中に溢れ出たゴミ


 近年ではゴミの不法投棄も問題になっている。溢れ出たゴミが道を塞いでしまうこともしばしば。

 こちらは川沿いの狭い歩道の半分を占めている、不法投棄されたゴミたち。

 新宿の歌舞伎町に不法投棄されたゴミ。人通りの多い目立つ場所でも、ゴミは当たり前のように捨てられている。


川の汚染と生活排水

 都市の発展を象徴する高層ビルを映すのは、水質汚染によって濁ってしまった緑色の川である。このように川が汚れてしまうのは、家庭から出る生活排水、または川へのゴミのポイ捨てが原因だ。こうした川では魚が住むことができない。そしてその水は、やがて海へと流れ出てしまう。

 沖縄県が作成した、川が汚れる原因やそれに伴う問題をまとめた図。近年指摘されているのは、プラスチックゴミの増加だ。プラスチックは自然で分解されることはなく、それを食べてしまった魚をさらに大きな魚が捕食することで、プラスチックはどんどん蓄積されていく。そしてやがては巡り巡って、私たちの体内へと入ってきてしまうのだ。

 

 

 

 引用:https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/mizu_tsuchi/water/drainage_1.html

 同じく沖縄県が作成した、平成17年度汚染汚濁負荷量調査(天願川)のグラフ。ほとんどが私たちの家庭から出る生活排水であることがわかる。

 あれほど水が綺麗な沖縄でも川が汚れているということは、東京の水質汚染はそれよりもさらにひどいものであることが窺える。

 

 

引用:https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/mizu_tsuchi/water/drainage_1.html

ゴミを放置するということ

 時とともに忘れ去られてしまった、田舎の作業場。

 もしも撤去されることになれば、町の税金を使わなければならない。立つ鳥跡を濁さずの精神で、自分の出したゴミは自分で処理をするように心がけて欲しい。

害獣・害虫の増加

 三軒茶屋の裏路地で見つけた薄暗い空間。都会のおしゃれな街でも、少し外れればゴミに溢れた場所は案外すぐに見つけることができる。

 都心ではネズミなどの害獣発生が増えているため、衛生を保つためにも彼らの餌を道に捨てないでほしい。

ペットボトルのリサイクル事情

 中央防波堤にある、ペットボトルのリサイクルセンター。敷地内には運びやすいように四角くまとめられた、大量のペットボトルが積まれている。リサイクルされたペットボトルは、同じくペットボトルになったり、卵のパックやシャツなどに生まれ変わる。地球の資源は無尽蔵ではない。使えるものはどんどん再利用して、資源の無駄遣いを減らさなければいけない。

 ペットボトルリサイクルの大まかな流れ。リサイクル率を増やせば、必要な石油の量が減らせることがわかる。

 

 

 

 

 

引用:http://www.cjc.or.jp/j-school/c/c-1-4.html

 PETボトルリサイクル推進協議会のホームページに載っている、ペットボトルのリサイクル率データ。国内では毎年およそ85%ほどで推移していることがわかる。

 

 

 

 

 

 

引用:https://www.petbottle-rec.gr.jp/data/calculate.html

埋立地

 私たちが日々生み出しているゴミは、決してどこかへ消えているわけではない。その膨大なゴミを処理するために、埋立地は作られる。その中でもお台場は、最も代表的な埋立地の一つだ。建物が過密しすぎた東京の新たな土地ということもあり、急速な発展を遂げた島である。

 さらにその奥には中央防波堤という人工島が存在する。ここは東京への津波被害を抑えると同時に、東京の海にゴミを沈められる最後の場所という、あらゆる意味での防波堤だ。ただその処理能力も限界を迎えつつあると言われており、その場合東京にこれ以上埋立地を作ることはできない。この問題が解決しないまま進めば、私たちの生活はどのように変わってしまうのだろうか。

 浦安にある東京ディズニーリゾートは、いわゆる埋立地である。かつては漁業によって栄えていたこの町は、工場の汚染排水によって貝や魚が獲れなくなってしまった。そこで浦安市は海をゴミで埋め、その上にディズニーリゾートを誘致して建設を進めたのだ。

 人々は足元にゴミが埋まっていることを忘れ、今日も夢の世界に魅了されている。

持続可能な社会

 これまでの写真やグラフを見てもらった通り、私たちが今までのような生活を続けていけばいたるところでゴミが溢れてしまう、そんな国になってしまいかねない。私たちが生きているうちはなんとかなるかもしれないが、次の世代へこんなに汚いバトンを渡してしまう訳にはいかない。

 確かにあなたが少し意識をした程度では、この問題は解決しないかもしれない。だが、私たち一人一人が当事者としてこの問題に意識を向けることで、わずかでも未来は変わるかもしれない。

 この当たり前の生活を続けるためにも、今のうちからゴミ問題の芽を摘んでいこう。