いたい、こわい、ふあん。

鈴木咲菜

ステイトメント

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これは、乳がん闘病中の私の祖母の記録です。

 1度目の手術跡を含むポートレートに加え、抗がん剤治療をせず、新たな治療法を模索し、同じ病気で苦しむ人々に新たな希望を与えられるように自らの身体を実験台にしながら、色々な薬を試し不安の中生きていく様子をドキュメンタリー形式で撮影しました。

 2017年に乳がんが発覚してから、誰よりも強気な姿から一変し、彼女が不安や苦しみに包まれて弱々しくなっていく様子が私にとってとても衝撃的でした。

 けれど、祖母は諦めませんでした。次第に「生きようとする力」そのものを映し出すようになり、私はその光景を目の当たりにした瞬間思わずシャッターを切り出しました。祖母が慣れないスマホで病気について調べ勉強する姿や、色々な薬や治療法を試し、研究する姿がこの写真には記録されています。

  また特に手術痕を公開することは、勝手にタブーだと感じていましたが、私は祖母の意思を汲み取り、公開しました。それは、手術を乗り越えた全ての人にとっての「悲しい傷跡」ではなく「闘った勲章」となるよう、この写真からそのイメージを塗り替えていきたいと思っているからと、言っていたからです。曝け出すことで、新しい意識に変わっていけたら良いという祖母の願いもあり、今回撮影に至りました。それは、手術を乗り越えた全ての人にとっての「悲しい傷跡」ではなく「闘った勲章」となるよう、この写真からそのイメージを塗り替えていきたいと思っているからです。女性としてのシンボルを曝け出すことで、新しい意識へと変わっていけたら良いという祖母の願いもあり、今回撮影に至りました。