Do Reflective Objects Illuminate the Future

清水 敬祐

これは、太陽光発電設備により変化した地方の景観を撮影したものである。2009年に余剰電力買取制度が施行されて以降、太陽光発電設備は急速に広まった。

私の故郷である群馬県は、全国的に見ても日照時間が長いため、太陽光発電所が至る所に設置されており、幼少期の頃とは景観が大きく変化した。

 

この10年間で爆発的にソーラーパネルが広がった一方で、パネル自体の寿命が約20年と発電設備としては非常に短いこと、そしてパネルのリサイクルができないことによる廃棄問題などの問題点を抱えている。

 

地方で発電された電力は、都市部に送られその利益を享受している。

現在の太陽光発電をめぐる地方と都市との間には、主従関係が存在しているという仮説を立て、群馬県を中心に関東地方で撮影を行った。

 

60年代にアメリカで立ち上がったNew topographicsにおいて時代性と環境の変化が表現されていたことを踏まえ、私は2020年代の作品として、人間が変えた景観を記録する重要性を見出し、現代の手法によって写真で残そうと考えた。

 

現在様々な問題を抱えているソーラーパネルは、10年後20年後に今の場所で同じように発電しているだろうか。