武浪 みつき
私は16年来の親友が教育実習をしている様子を撮影した。
多くの時間を過ごし、似ているとまで言われることが多い私たちであったが、
学校という場所に対しての考えにギャップがあった。
彼女は今でも母校が好きで、母校で教員になることを夢見ている。
一方で私は高校時代を思い出すと拒否反応を示してしまい、高校が嫌いだった。
当時のクラスメイト・教員との人間関係に悩みを抱え、教室に入れない日があったからだ。
だが、親友だからこそ現在の彼女の夢を理解したいと思い、教員を目指す彼女と共に
3年ぶりに母校を訪れることを、私は決意した。
初日に緊張していた彼女だが、次第に教員としての自覚が芽生え、
彼女自身が成長していくのを感じられた。
彼女が生徒に手を差し伸べていく様子は、私が彼女に支えてもらった学生時代を思い出させてくれた。
当時から優等生で、みんなの憧れの存在で、
常に誰に対しても優しさを持つ彼女の姿そのものだった。
撮影と同時に、過去の記憶を否定していた自分に気がついた。
私は親友を通して学校という学校という過去のわずかに戻ることで
自分と向き合うことができた。