エンドロール

この言葉の意味は単純で、残酷だ。

 

「引退した馬を追うな」

 

競馬場の主人公とは、馬だ。

 

その数は中央競馬だけで年間7000を超える。

 

そしてそのほとんどは屠畜される。

 

サラブレッドは走るためだけに生まれてきた存在だ。

 

本来だったらどう生きていたのだろうか。

 

あるべき姿とは何なのか。

 

きっとこれには正解なんてなくて、問題になるのは人間の感情だ。

  

馬を愛玩の対象として見ていても、

 

人を背中に乗せ走らせる動物だとしか考えていなくても、

 

現実に胸を痛めて、嘆き悲しんでも、

 

それは馬からしたら勝手に向けられた感情や考えで、

 

人が向ける善意的な思いもエゴでしかないのではないかとさえ思ってしまう。

 

本来の役目を終えてしまった命をどう扱うかは難しい問題だ。

 

光が当たるところには影ができる。