Don't judge a book by its cover

市川未佳

 

これらは容姿にコンプレックスを抱える同世代の女性を撮影した作品です。

 

私は自分の容姿を他人と比較され、いつも引き立て役のような存在になります。他人が何気なく放つ言葉は、少しのすれ違いで、生涯を共にする身体に深く傷をつける棘のようなものに変化します。

時には、容姿が相手に与える第一印象こそが、その人の本質であると捉えられる場合もあるのです。

 

ここでは、私と同じように容姿に悩みを持つ女性を被写体に選びました。私と8人の女性は、お互いの内面をほとんど知らない関係性です。目つきが悪いこと、首の皺、皮膚の炎症など彼女たちの

コンプレックスを抱えるきっかけの多くは、私と同じように他人が不意に放った言葉によるものでした。外見の悩みを共有しながら、今を生きる等身大の姿を写しました。どこに美を感じるか、相手に何を

思うかはそれぞれの感覚により異なります。私が感じた美をそれぞれに表現しました。

 

私は個人がありたい姿で居られる空間をつくること、容姿が社会との隔たりとなる要因にさせないことを望みます。社会が理想とする美しい女性像の固定概念をほぐしていくことが、個性や多様性を尊重する社会につながるのではないでしょうか。

 

Dont judge a book by its cover

「本を表紙で判断してはいけない」は英語のことわざで、「見た目で判断してはいけない」と意味します。